卒業生メッセージ

大学で自分の生き方を見つけてほしい

立花 智子 さん

2001年 環境生命科学科(現応用生命科学科)3年終了時、大学院に飛び入学
2003年 大学院修士課程修了(環境応答植物学研究室)
株式会社リバネス 勤務

 私は今、東薬の研究室の先輩が立ち上げた会社(株式会社リバネス)で働いています。設立11年目でスタッフ数は40名あまり、会社の事業内容は、人材育成、研究開発、メディア戦略、出版、飲食店の経営、養豚、植物工場、海外戦略コンサルと、人数規模から考えたら信じられないくらい幅広いのですが、私自身は、リバネスが設立当初からコア事業として行っている科学教育事業に携わっています。教育はもともとやりたかった事なので今それを仕事にすることができていて、とても充実してます。

 しかし高校時代からやりたい事が決まっていたかというと、そうではなくて、今振り返ると、当時は特にやりたいこともなく、将来のビジョンなどない毎日を送っていました。親の出身大学がたまたま東薬の薬学部だったため、なんの気なしにパンフレットを取り寄せたのが、生命科学部との出会いでした。私が受験生だった1998年頃は、「遺伝子組み換え食品」などバイオテクノロジーが世に浸透し、エコが騒がれ始めた頃でした。そんな背景を受けて、当時日本で唯一の生命科学部が、東京薬科大学に設立されたと知り「私も最先端の研究をしてみたい。」と思い受検することにしました。そして無事生命科学部に入学、学部三年生から研究室に入り浸り、そのまま修士課程に進みました。しかし、大学院に進んだ後に、私は決定的なミスをしていることに気づきました。研究に不可欠な精緻な実験が、私にはとても苦手だったのです。

 そこで自分はプレイヤーではなく、他の人がやっている研究の面白さを次世代に伝える事を仕事にしようと思い、教育関連の企業に就職することにしました。研究室の恩師である都筑幹夫先生は、将来が定まらずふらふらしている私に対して「やりたいことをやりなさい。」と仰りあたたかく見守っていただき、大きな心の支えになりました。

 そして結局、修士課程修了後は教育系の出版社に勤め、5年後にはリバネスへ転職し、今に至ります。東薬で得た知識や研究の経験は、日々の教育活動には欠かせないもので、東薬で学んだことは教育業界でも十分活かせることがわかりました。たとえば、理科の先生とコミュニケーションをとるには大学や大学院レベルの知識が要求されますし、子供向けの実験教室を開催するときにも、実習や研究の経験が活用できます。

 私の場合は、大学に進んでからも将来が定まらず悩むこともありましたが、今思うと、どんな経験も無駄にはならないと思います。東薬には、学生の多様な生き方を認めてくれる懐の深さがあります。それは、学生想いの先生方とそこから様々な道へ巣立っていった卒業生たちが作り出している一種の校風だと思います。なのでぜひ、生命科学に興味のある人は、東薬に来て自分の生き方を見つけてもらえればと思います。