卒業生メッセージ

山下 治城 さん

生産現場は最高の研究室です

平成19年 大学院修士課程修了(環境ストレス生理学、現環境応用動物学研究室)
日本製紙株式会社 生産部 永豊餘造紙(揚州)有限公司 出向

 私は、2007年3月に修士課程を修了し、日本製紙株式会社岩国工場で3年間勤務後に、北京に1年間語学留学しました。そして、2012年3月から、業務提携をしている台湾の製紙会社の中国工場(揚州)に派遣されています。ここでの私の仕事は、技術スタッフとして日本の技術経験を生かし、生産工程の問題を見つけ、実際に操業現場で調査し、最善の方法を検討し、改善方法を提案・実施することです。

 世の中に極自然に存在し皆に必要とされている紙を、世界に供給する責任の一端を担っている”実感”が味わえます。紙の生産は24時間休みなく行われ、その工程は複雑でダイナミックであり、意外と人が介入する部分が多くあります。また操業現場では研究室で想定される理論通りにはならないことが多く、様々な現象が起こります。それらを見逃さずに基本原理・原則に立ち返って検証することで、新たな研究開発の種や技術そのもののブレークスルーに繋がることがあります。研究好きの私としては、生産現場は最高の研究室です。

 また操業現場作業は、多くの人と連携を取りながら実際に体を動かして行なわれることが多く、時間を費やし、汗を流してする共同作業は最高の達成感が得られます。体を動かして、大勢の人と一緒に仕事をすることが好きな人には非常におすすめです。でも、とても体力が要りますよ。最後に、この仕事では自分が開発に携わったものが、物としてすぐに日常生活に入ってきます。これこそが日用品の生産現場で働く醍醐味ではないでしょうか。

 私は東京薬科大学のアットホームな雰囲気の中、自分にとって心から好きだと思える分野を見つけ、時間を気にせずに基礎から最先端までじっくりと学ぶことができました。現在の仕事では、学生時代に身につけた専門的知識を直接活用することはありません。しかし、一つの分野をじっくり深く学ぶことで得られるスキルというのは、新たに他の分野を学ぶことや仕事をする上で必要なことと共通なことが多く、私が仕事をする上でも基礎となっています。

 また学生時代に体育会に所属し、更にその運営に直接携わりました。この経験は組織運営について、決して理論だけではなく、実践経験として今の仕事でとても役に立っています。というのは、今の仕事には多くの人に一緒に動いてもらわなければできないことがたくさんあるからです。