卒業生メッセージ

-WATER BIOLOGY−水分子動態から生命現象を理解する研究

加藤 靖浩 さん

愛知県立名古屋西高等学校出身
1998年 環境生命科学科(現応用生命科学科)卒業(環境応答生物学、現環境応答植物学研究室)
2004年 名古屋大学大学院 生命農学研究科 学位取得(生命農学博士)
慶應義塾大学 医学部 薬理学教室 助教
日本薬理学会 第87回年会優秀発表賞 授賞 「細胞選別を目的とした超急速凍結法」
加藤君の喜びの声はこちらから(東薬会会報 2014. 9月号「あの人この人」, 要ID)。「折しも、アクアポリンを発見し、ノーベル化学賞を受賞したピーター・アター・アグレ先生にも同席して頂いての受賞でした。」とのこと。アグレ先生との記念写真もこちらから。)

 -Water Biology−とは、聞き慣れない言葉ですが、これは私の所属する研究室が新たに開拓している、水分子の振る舞いから生命現象を捉える学問領域です。

 この研究との出会いは、お世話になった環境応答生物学研究室での卒業研究が始まりです。私たち生命体は、多数の細胞が集まって構成されていますが、細胞一つ一つは、細胞膜で覆われ外と内側の環境を隔てています。細胞膜の構成要因として脂質と膜タンパク質が、その大部分が占めており、東薬大在籍時には、外環境の温度変化に伴う脂質の流動性に注目して研究していました。大学院の時には、もう一方の構成要因である膜タンパク質の機能と構造の関係を解明する研究を行っていました。そのとき、水の輸送をつかさどる膜タンパク質アクアポリン(AQP)と出会い、現在は、水分子動態を制御するアクアポリンから探る凍結法として、新しい細胞凍結保存・輸送液を開発しています。このような生体における水の役割を理解しようとする研究は、複数の大学や企業と共同で進めており、基礎研究のみならず、医療・農業・水産業などへの応用も試み、様々な方面から社会還元の糸口を探っています。

 研究のみならず対外的な活動を率先してこなせるのも、四季の豊かな八王子キャンパスでのオープンで活発な教員と懇談や体育会スキー部、東薬会OBOGとの交流があったからで、私の一生の財産になっています。